1.詳細設計とは
2.詳細設計の手順書
①具体的な構造、寸法を決定する。
②使用する材料を決定する。(環境適合品を選定する!
③寸法、組立基準値位置を決める。
④外観の限度範囲を決める。
⑤製品性能以外で実使用を想定しておくべきことは何か?
⑥組合せ図作図
⑦FEM・設計計算実施。数値化を行い裏付けを残す
構想設計と詳細設計の違いは?
構想設計
0の状態から1にする設計工程。大枠、全体的な骨組みを考える。
使用するユーザでも理解できる設計段階。
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詳細設計
1の状態を2,3,・・・とブラッシュUPする設計工程。構想設計で決まっている、大枠、全体的な骨組みを細分化し、一つ一つのことに意味を与えていく工程。意味とは裏付けとも言われ、安全率、許容応力が満足できるか他数値化を行っていく。この工程は通常ではユーザには伝わらない。だが、クレーム、何かトラブルが起きにくくなり、また、トラブル発生時に効力を発揮する。言わば製品の縁の下の力持ちとなる設計である。詳細設計の工程は大変だが、ここの積み上げが市場投入後の製品トラブル、クレームに直結するといっても過言ではない。かなり重要な工程であり、一番時間を要する。
①具体的な構造、寸法を決定する。
寸法を決定する上でバラつきをどこまで吸収できるかを考える。
一般的に成形品であれば0.05~0.2程度。金属であれば0.01~0.1程度の寸法バラつきが発生する。バラつきが発生する要素は環境、作製する治具、金型の老朽化、材料、成形条件、プレスの条件、歪みなどなど多岐に渡る。これだけばらつく要素がある事を頭に入れて、最悪。ワーストケースを踏まえても成り立つ構造を考え、寸法を決定する。
あまり寸法に対して厳しい要求をすると実現可能な協力会社、方法が限定されてしまい
コストが割高となる。費用対効果を頭に入れることも忘れないこと。
②使用する材料を決定する。(環境適合品を選定する!)
要求性能を満足するために材料を選定をする。材料は大きく分けて成形品、金属、ゴムである。サイズ、重量、コストの整合性を考え、どの材料にするか決める。材料を選定する上で確認する内容は材料メーカのカタログ値である。どのくらいの力に耐えらえる?を確認する点は下記です。数値が大きければ大きい程強度が強いと考えてOKです。引張強度(引張に対する強さ)、曲げ強さ(折り曲げに対する強度)、圧縮強度(つぶしに対する強さ)、せん断強度(ちぎるに対する強さ)
※構造計算の詳細は別途up致します。
※環境適合品の詳細は別途up致します。
③寸法、組立基準値位置を決める。
大事な点としては測定がし易い箇所。変形しない箇所。寸法が出やすい箇所。この点を意識して基準位置を設定を行います。何故基準位置を決める必要があるのか?理由は2点あります。・業者に仕事をお願いする。もしくは複数人で仕事を行う場合、の視点を揃えるためです。基準位置が異なる事により、人により組立方法が変わってしまったり、測定方法が異なったりしますと、不良品を発生させる原因となります。そのためにも基準位置を設定すること複数人で仕事をする場合でも基準位置を明確にすることで不良率を低減することができます。基準を決めることで、設計者の意図を図面から読み取ることができます。基準位置は前述のとおり、寸法安定性が高い箇所に基準を設けます。設計者がどういう考えで、ここの基準を設けたのか?基準により60%は図面作図意図を知ることができます。
④外観の限度範囲を決める。
外観を大事にする部品は外観の許容範囲を決める必要があります。その許容範囲によっては次工程が必要となります。例えば、成形品であれば塗装工程、樹脂めっき工程他が必要となります。次工程が必要となるとそれだけ完成までの工程が増えますので、コストUPとなります。また、過剰に外観の限度範囲を制限してしまいますと、その分コストに跳ね返ってきます。不良率という言葉があり、限度範囲を制限することで不良率が高くなります。不良率とは不良品となる確率です。不良品となっても材料費は発生しており、その材料費分を良品に上乗せされますので、コストが高くなってしまいます。
費用対効果を頭に入れることも忘れないこと。
⑤製品性能以外で実使用を想定しておくべきことは何か?
ここが設計者の差別化が図れる言わば設計者の能力が試される点です。製品性能は各社一応であり、特に差はありません。そのため、製品性能は最低限クリアしなくてはいけないハードルです。それに対して実使用を想定。これは製品性能を一段掘り下げ、ユーザ目線で徹底的に考える必要があります。同じコスト。同じ性能でも売り上げが大きく違う製品。この差は実使用を想定した結果が反映されているかです。これは私がマーケティングの仕事を行ってきて売れている製品に共通している点です。目に見えない。数値化できていない。製品の深みを表現できる。実使用を想定は大事です。
⑥組合せ図作図
2部品構成の製品に関しては特に必要はありませんが、3部品、4部品と構成する部品に関しては組合せ図作成し、干渉がないか?寸法が成り立っているか?検証する必要があります。単品の図面だけでは表現できない点は多く、組合せる事により、寸法を決める事ができます。また、組合せ図の効果としては人に説明する時にも有効です。この部品はどう使われ、どういう機能が必要であるのか?ただ製品を作るのと構造、機能を理解して製品を作るのでは圧倒的に後者の方が品質に優れます。また、万が一設計ミスをして部品を作り直す場合、構造、機能を事前に説明ができていればそのミスのリカバリーもタイムリーに行う事ができます。
⑦FEM・設計計算実施。数値化を行い裏付けを残す。
※詳細は別途up致します。
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